自律さえすれば【断片的なものの社会学に学ぶ①】

最近読んだ今年のマイスーパーベストセラー(?)な本
『断片的なものの社会学(岸政彦,朝日出版社)』を読んで思ったことを多分シリーズにしてちょっとずつ書いていきます。
どんな本かというと、うーん、とにかく読んでください!← ここでは思ったことを書いていきます(ほのかなネタバレもあるかも、ネタも何も無いかもですが)。


かけがえのない、なんて嘘?

ここには「かけがえのないもの」や、「世界でたったひとつのもの」など、どこにもない。ただ、ほんとうに小さな欠片のような断片的なものたちが、ただ脈絡もなく置いてあるだけなのである。

断片的なものの社会学(岸政彦,朝日出版社)

こことは、「自分の中」と前に書いてあるのでそれのことと思いますが、自分の人格が誰かの模倣でできている、といったことを述べています。わぁ、すごくわかる。私って、人の良いとこ、やることすぐ真似する。
「としるは唯一無二だよ。」「個性的だね。」と言われることが多いんですが、その度に「私は妖怪良いとこどりパクリーです。」と「個性的ってみんな違うんだから個性になるよね結果的には。」と返答します(相手はえー・・・って顔するけど)。自分のことを唯一無二なんですーなんて思ったことはなく、ハイよく言われます、とだけいう(ずるいね)。

どうして人と同じことをしなくてはならないのか。人の話を聞く時は、きをつけして足を揃えなさい、とか。でも人の話聞けない、列にも並べない人間が増えるのも末恐ろしい気がする。

はたまた、どうして人と違うことをしなくてはいけないのか。新しいことしか発信してはいけないのか。やるなら早くしなきゃいけないんじゃないか。このままでは生きている間に何か新しいことを成し遂げられないんじゃないか。

ずーっと答えの出ぬままぐるぐるしている。

自分の中の新しさを

ぐるぐるの中でもちょっと思ったことは、自分の中の新しいことを信じて進むしかないのではないかってこと。まあもし人と同じだとしても、そうか、こうすればいいのかって今思れば。世の中、ダンスにしても音楽にしても、もう粗方出し切られたんじゃないか(また何にも出ていないんじゃないか)。人にとって新しいこと、ウケることを追っていると、そのうち躓く。というかのっけから躓いている。そういうとき、自分の脈動が聞こえなくなっている。

私は人がやっていて「新しい!」「面白そう!」なことを見るとグッときて家に帰ったら、明日から、今からすぐ真似しようってなる。ダンス公演はいつもメモをして次の振り付けでやってみたいことを集めておく。

パクリ宣言して大丈夫なのって思われるかもしれないけれど、大抵再現性のほぼないものになるから、多分大丈夫。肉体という媒体がそもそも違うし、個性を拭えないので、真似しようにも結局真似出来ないオチ(苦)例え誰かがすでにやっていることでも人と同じことでも、自分の中の新しさ、新鮮さ=心動いたこと=アートでいいのでは?ダメかな?

忘れてはいけないこと


結局人と同じことをしなければならない、と子どもの時から強いられてきてそれが出来ないと怒られてきたのに、一方でもっと個性を、新しさを強いられる。特に現代。

ときに、衝動をコントロールしてしまうと、芸術は爆発しないぜ、個性を殺してどうする、とも思うけど。人と同じ安心感というのも人生何度となく経験してきている。
和を乱そうが自分を出すぜ!はいいんだけど、その際の感謝と意識を忘れてはいけないと思うんです。自分へ周りへ感謝することを。その衝動が、今生かされている感謝を忘れていたり、まして誰かの感謝を踏み躙っていて気づかないようなものなら、それは芸術じゃない。新しくもなんでもない。意図があるってことを周りにも伝える努力はしたほうがいいのかも、または相手について、この人協調性ないな、もしくは個性が無いな、ってすぐに決めつけずに意図があるのかもしれないって汲み取ることも大切かも。

みんなと同じであることも、みんなと違うことも、誰かが強いることではなく、自分できめられる世界であってほしいなあー。



かけがえのない、なんて嘘。でも自分で自分を信じなかったら、存在そのものさえ嘘になってしまう。嘘だろうが、なんだろうがいるんだけど、ここに。

要は、自分の中の楽しいに、「しんせつ」に気づいて信じてあげよう!ってことで、まとまらないまとめ笑
皆さんも、読んでみてくださいね。


𓀞𓀟𓀠𓀡しんせつスタジオ𓀢𓀣𓀤𓀥
みうらとしる(TOSHIL/도실)

投稿者プロフィール

三浦桃実
三浦桃実
看護師、ダンスファシリテーター、ヨガファシリテーター、シネマトグラファー。しんせつスタジオ代表。神奈川総合高校にて創作ダンスに出会い、神奈川県立保健福祉大学にて親切ダンスカンパニーを設立。様々な領域や枠を越えたメンバーで、地域に繰り出し踊ってきた。ダンスを言語として捉え、自分の思いを自然な動きで伝えるダンスのスタイルを編んでいる最中。ヨガ指導資格をリブウェルインスティテュートにて取得し、Bowspringや親子ヨガ、スタイルアップヨガなど、毎回哲学的なテーマを織り込んだオリジナルのクラスを提供する。ダンスもヨガも、ユーザー(参加者)と作り上げるスタイルが定評。またシネマトグラファーとして、依頼主の作りたい世界観を築き創るコンセプトで動画制作を行っている。
ユーザーさんたちが、自分が昨日よりちょっとかっこよくなっていることに気づいてもらえるように、スキルを活かして日々邁進中。モットーは「地球規模で考え、地元で行動」「しんせつなひと」
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看護師、保健師、RYT(全米ヨガアライアンス)500、メディテーション(瞑想)講師、JCDN主催コミュニティダンスファシリテーター養成講座修了生