リズむかリズまないか、それが問題だ。

リズムは鼓動、自分の鼓動を聞くこと。
リズム感があるというのは、鼓動の中の自分の脈動を聞けること。


リズム感がないっていうけど・・・

ダンス教室にいらっしゃる方で「うちの子はリズム感がないんです。」という親御さんはしばしばいらっしゃる。リズム感、と言われれば私も自信はない。ダンスを教える時は8ビートよりも歌詞や「ここでパーン!」とか「ドン、わー!」とか擬音で伝えている(らしい・・・それをこれまでのダンサーさんたちはきちんと拍子に戻して踊ってきてくれたありがとう)

リズム感とは何なのか、リズム感はなくていけないものなのかな。


リズム感とはリズムを感じる能力のこと

「リズム感」とは造語だ。辞書には載っていない。そしてリズム感、と検索するとダンスに欠かせない、とかダンス上達のために、とか比較的ダンスに必要な要素、と書かれているサイトが多い(つまり書いているのもダンススタジオさんとか)。
どのサイトにも書かれているのは「リズム感とはリズムを感じる能力のこと」とある。これがあれば音楽にピッタリハマって踊ることができる。リズム感がない人は、気持ちに余裕がない、音が聞けていない、音を覚えていない、といった要因があるらしい。

え?でも待って、それはリズムを感じる手段が環境や気持ちに左右されている、リズムを感じる力が無い、とは違うのでは?どんな時でも、どんな状況でも、音楽、ないし対象たるモノに対してリズムをキャッチできるように日頃から練習すればリズム感がメキメキ現れるのかもしれない。


リズムとは本来誰の体にも存在するもの

何が言いたいのかというと、リズム感は必要とか以前に誰でも持っているということだ。私たちの心臓は鼓動し、呼吸は規則的に続いている。体全部が脈動している。それも規則的な中にやや不規則性というか、自分の体が自分で生きるためのリズムをその場その場で刻んでいる。この素晴らしい生命のシステムにおいて、リズム感がないわけがない。環境や状況によって発揮できていないというだけ。自分の内側のリズムが聞ける、ということこそ真のリズム感がある人、と私は考えます。実際、ゆっくりしたリズムは気持ちを落ち着かせたり(緊張した時人人人って3回書いて落ち着けるのもリズムがいいから?)、よっしゃーいくぞって時は早いリズムで気持ちを高揚させたり、私たちの生活に深く広く根付いています。

しんせつなダンス・ヨガ教室でも、これまでは音楽を何かしらかけてやってました。今では少し変えて、無音の時間を増やしています。子どもたちは元気いっぱいなので動きたくてしょうがない、抑える必要はないですが、落ち着かないと、人の話も聞けないし、気が散っていて怪我をする恐れがあるので、初めは無音からあえてスタート。ヨガは大人は音楽がないとやりにくそうだけど、特に瞑想の時はなるべく自分の呼吸や脈動に身を任せてみた方が上手くいく(サマタ瞑想)。

どこに行っても何か音があり、とりあえずテレビ・ラジオ、とか流れていないと、無音に耐えられなくなってきていませんかね私たち。


「どんな人間の中にも、一生のあいだ費い果たすことができないほどの多量の沈黙が蔵されている。」

マックス・ピカート (引用は森本哲郎「ことばへの旅Ⅰより」)



沈黙は自分のことを誤魔化せなくなるから、少し辛いものです。自分の内側のリズムをしっかり捉える練習、それはまず沈黙に耐え、自分のことを捉えようとすることなのではないでしょうか。



リズム感を磨くと生きやすくなる

音楽だけでなく、人との対話でも、リズムがあうとやっぱり心地いい、逆に言えば心地のいい話は、リズムがいいということ。逆に話していてなんか食い気味にくるな、とか話聞いていないな、みたいな時は対話のリズムも悪いことが多いです。呼吸があっていない、というか。聞こえていないのか、聞こうとしていないのか、状況によるけれど。相手のリズムを感じられればいいけど、まずは自分のリズムがわからないと、相手とうまく噛み合わせるのは大変かもしれない。

かくいう私はというと、リズム感、あまりない方かもしれない。というか幼い頃から、何をするにも遅いな、と自覚していました。何をやっても人よりやや遅れるのです。今ではそのペースで大丈夫な環境と人に囲まれて過ごせていてとても幸せ。相対的に捉えるのは辛い時もあるけど、自分のリズムがわかれば傾向と対策を練ることができます。

私なりの結論は、リズム感は磨いた方がいい。それは自分をどんな時でも落ち着かせ、コントロールできるようにすることと、相手の内側のリズムを感じられるようになれば、お互いに生きやすくなるからです。 リズム感を磨くことはセルフコントロールの入門とでも言えるのではないでしょうか。

リズム感がない、なんて思わないでほしい。その前にどうしてリズム感が必要なのか?何事においても、クリティカルかつクリエイティブに、考えると生きるのが昨日より少し楽しくなるかもしれません!みんなでリズもう〜




𓀞𓀟𓀠𓀡しんせつスタジオ𓀢𓀣𓀤𓀥
三浦桃実みうらとしる(TOSHIL/도실)

投稿者プロフィール

三浦桃実
三浦桃実
看護師、ダンスファシリテーター、ヨガファシリテーター、シネマトグラファー。しんせつスタジオ代表。神奈川総合高校にて創作ダンスに出会い、神奈川県立保健福祉大学にて親切ダンスカンパニーを設立。様々な領域や枠を越えたメンバーで、地域に繰り出し踊ってきた。ダンスを言語として捉え、自分の思いを自然な動きで伝えるダンスのスタイルを編んでいる最中。ヨガ指導資格をリブウェルインスティテュートにて取得し、Bowspringや親子ヨガ、スタイルアップヨガなど、毎回哲学的なテーマを織り込んだオリジナルのクラスを提供する。ダンスもヨガも、ユーザー(参加者)と作り上げるスタイルが定評。またシネマトグラファーとして、依頼主の作りたい世界観を築き創るコンセプトで動画制作を行っている。
ユーザーさんたちが、自分が昨日よりちょっとかっこよくなっていることに気づいてもらえるように、スキルを活かして日々邁進中。モットーは「地球規模で考え、地元で行動」「しんせつなひと」
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看護師、保健師、RYT(全米ヨガアライアンス)500、メディテーション(瞑想)講師、JCDN主催コミュニティダンスファシリテーター養成講座修了生