アナーキズムってなんだろう
しんせつスタジオスタッフが日頃思う自己表現についての考察や哲学っぽいことを徒然なるままに書いています。ダンス・ヨガ・映像制作、始めたい人、作ってみたい人、表現って何?と思う人はぜひ読んでみてください。
横須賀にある無農薬野菜のSHO FARMさん
今日のテーマは「権力と支配(放送では権力への支配としていますが、言いたかったのは権力と支配)」。なんか難しい言葉でちょっとアナキズムを気取ってみてるんですけれども、私は見たもの聞いたものすぐ影響受けやすいのです。何に影響受けたかと言うと、横須賀市長沢にあるSHO FARMさんという農園。
本当に素敵な素敵な活動をしている農園さんです。ただの農家さんではなくって、まずお野菜栽培については、もう徹底的に無農薬、化学肥料も一切使わずに作物を栽培していて、一般的なお値段からすると一見お高く感じる。だからこうなんか無農薬野菜をこう食べたいという人って、なんかリッチな感じって私イメージ最初持ってたんですけど、話を聞いてたらもうそんなのはとんでもなくって、もうこれだけの手間をかけて作っている美味しいものに対しての対価をいただく、対価を払うということを考えれば、もう高いものでも何でもない。
もっと言えば食の安全、自分の体に入るものについて、この何を選べば信じればいいのやらわからない時代、安全に対してお金かけなくて何にお金をかけるんだ!そして素直に、お野菜自体も本当に美味しくて、塩味と甘みがすごく野菜からするっていうか、本当に何も味付けなくても食べられるような、そんな美味しい野菜を販売しているSHO FARMさん。
2024年12月末、餅つきが、餅つき大会がありまして、1年かけて作った無農薬のお米をみんなでついて餅を食べようという、基本的には無料という素晴らしい企画。
そもそもなんでSHO FARMさんと知り合ったかというと、私が2019年度にキララ賞(生活クラブ神奈川が送る輝く若者生き活き大賞)をダンスグループ「スタジオ◎きのこ」として受賞し、SHO FARMさんは2022年度受賞。そこから繋がっています。年末の餅つきも、ずっと行きたくてなかなか行けてなかったので、やっと行けて嬉しい。
たくさんの人が集まって、みんなで餅をついて、食べて、音楽や出し物を楽しむ、ほのぼのした、昨日もとっても良い天気だったし、いい雰囲気・・・。と思っていたら、それだけで終わらないのがやっぱりSHO FARMさんの面白いところ(笑)
権力と支配
アナーキズムが登場!待ってました!ただみんな集まって楽しいね、では終わらない。というかあの本当の平和さが醸し出されるのは、やっぱりSHO FARMさんの信念が強くあるから。マイクを使ったスピーチパフォーマンスとか、その尖ってるところが、私は本当に好きです。
テーマで私が気になったのが権力と支配について。
権力や支配に私が負けている?とは現状思えないけどなー。だってそれってもっと圧力があるとか、怖い思いをすることでしょ?なんて考えていたら、自覚がないだけなのかも知れません。今、大概の方が、何かあった時に病院に頼るなり警察に頼るなり弁護士に頼るなり、困った時には何かそうやって行政なり、行政頼ればいいじゃないですかっていうスタンスでいる。別に悪くないけれども、それは何かに依存している、権力に屈している、権力に支配されている状態なのかもしれない、、、そう思うと衝撃を受けました。
政治っていうのは、あまりクリアなイメージがなかったりとか、国会中継とか見てても、なんだかこうみんながいがみ合っていて、なぜお互い「それいいね!」みたいな話にならないんだろうなみたいなことはいつも感じています。「票は世界を変えないんです」ってSHOFARM代表:仲野晶子さんはおっしゃいます。
票はここに要らない。なぜならこの実際に餅つきというその実践ができているから。票がなくってもみんなで集まって、みんなで支え合って生きていくっていう、そういうことが今この場で実践できてるから。だから良い政治家やを選ぶとか悪い政治家を落とすとかそういうための票は要らないんだ。
という話をしていて、それもまた衝撃を受けました。票を使って、良い政治家を選ぼうというやり方ではなく、もう国家を内側から解体していくということ。その言葉で目の奥が熱くなる本当に素敵なスピーチでした。
そもそもシリーズ「支配の語源」
私は最近、語源を調べるっていうことを考える前にやっています(「そもそもフェチ」と自分で名づけている)。どうしてもこう言葉なんて陳腐なものだと思いながらも、「言葉なんて陳腐なものだ」という言葉さえも言葉で表現しなきゃいけないわけですから、やはり言葉は大事です。そもそもこの言葉っていうのはどういう成り立ちでできたのか、その背景を知ると真実に近づけたりするのではないかなと。
気になったのは「支配」という言葉。形から見ても分かる通り、「支える」とか「配る」って書いてあるから、分解してみると、権力の支配とかそういうマイナスなイメージは、言葉面からはあまりなさそう。グーグル先生(AIサーチ)によれば、支配とは、支配の語源は漢語で、元々は数量を数えて配分することを意味しているとのこと。
「ある地域や組織、勢力、権力を及ぼして自分の意のままに動かせる状態に置くこと。ある要因が人や物事に影響を及ぼしてその考えや行動を束縛すること。仕事を配分したり、監督、指揮したりして、部下に仕事をさせること。」
やっぱり「支配」っていう言葉自体は、そんなに悪い意味ではなかったのではないかなと思います。でも、配分する側に回るっていうことが、もう既に力を持っているもの、自分の意のままに動かせるもの、であることが由来かも知れません。
元の言葉を考えれば、支え合って、配って、みんながみんな幸せになるっていう風にも考えられるんじゃないか、支配っていう言葉自体は本当はそんなに悪い意味ではなく、捉え方によってはみんなで支え合って生きていくという意味にもなるんじゃないかと思ったりもします。
アナーキズムとは?
アナーキズムについて明治大学の田中教授の記事が良かったのでご紹介します。
「アナキズムは全ての人1人1人の内にある。アナキズムは無政府主義と訳されるため、政府をなくして社会に混乱をもたらすことだけを目指す過激な思想だと思われています。しかし、本来のアナキズムとは、誰の心の中にもある当たり前の考えの1つだと言われています。」
そもそも何とかイズムとかいう言葉自体がちょっと危ういなっていう思うところはありますが、アナーキーの訳語が無政府ということで、多様性を認めて誰もがフラットな関係で助けて助け合うことは目指したい世界の姿ですよね。
力を及ぼしたりとか、何々してあげるとか、されられる、させられる立場にあるとかいうことにならない。ただただ困ってたら、助け合うだけ。困ってる人がいたら助けるだけ。ただそれだけっていう関係のことを言うのかなと思うのです。
昨日の餅つきはまさに本当にSHO FARMさんが言うように、アナーキズム、フラットな、物理的にフラットで平たい原っぱにみんながいるっていう、みんながいて、それぞれ好きなことしていて、食べたいからみんなで作り合って、で、それを分け合ってっていう素晴らしい光景ですね。明治大学の田中教授の言っているアナーキズムがそこで実践されている。SHO FARMさんは、政治は要らない、政府は要らない、内側から国家を解体していくことの重要性を、「田んぼづくり」「餅つき」での実践を通して訴えているから、非常に説得力があります。餅つき1日の話ではなくて、何年もかけて田んぼをみんなで運営していくことを実践しているというので、感服です。
政府は要らないとは、簡単には言えないですし、いや簡単に言っていいんだよ、目の前でできてるんだからっていう立派な考え方もあると思うんですけれども、やっぱり困った時にはその行政なり何なりのネットワークを頼ります。私自身も、医療現場にいた身として、医療もいよいよ解体せねば・・・とは思っていてまた別の話になるんですけれども、まずは自分のことは自分で何とかする。これが基本かなと思います。人のために食べ物は作らなくていいとは、著書「都市を滅ぼせ」を代表とする中島正さんがおっしゃっています。
自分の作りたいものだけ、自分の分だけ作っていけばいいんだから、人のものなんて作ろうなんて発想が、そこがあの資本主義のその経済を生んでいくのではないかという。都市は滅ぼせというよりは、もう都市は滅んでいく。都市が滅んでも田舎は困らないけど、田舎が滅んだら都市は困るでしょうっていう中島さんの言葉。
かと言って都市に生活をしている以上は、難しいですその実践。アナーキズム、NO政府って言って行動できる方が、みんなを巻き込んで実践が繋がるんだろうな。中途半端なことはしたくないけれども、私はあの愛するしんせつスタジオ北久里浜店、愛するスタジオが、その都市の生活の中にあるので、都市生活を離れられない現状(これも言い訳かなあ)。
その2へ続く
しんせつスタジオはあなたを待っています
しんせつスタジオはあなたの「表現したい!」気持ちを応援します。しんせつスタジオで、あなたの“表現”という武器に磨きをかけませんか。この記事を読んで「しんせつスタジオ気になる!」と思ったら気軽に見学お待ちしています。SNSも覗いてみてね。
#しんせつスタジオ #横須賀 #コンテンポラリーダンス #モダンダンス #ジャズダンス #創作ダンス #ダンス教室 #キッズダンス #身体表現 #アート #しんせつなダンス #しんせつなヨガ #しんせつな映像制作 #Bowspring #ちょっとかっこいい
しんせつスタジオ
投稿者プロフィール

-
看護師、ダンスファシリテーター、ヨガファシリテーター、シネマトグラファー。しんせつスタジオ代表。神奈川総合高校にて創作ダンスに出会い、神奈川県立保健福祉大学にて親切ダンスカンパニーを設立。様々な領域や枠を越えたメンバーで、地域に繰り出し踊ってきた。ダンスを言語として捉え、自分の思いを自然な動きで伝えるダンスのスタイルを編んでいる最中。ヨガ指導資格をリブウェルインスティテュートにて取得し、Bowspringや親子ヨガ、スタイルアップヨガなど、毎回哲学的なテーマを織り込んだオリジナルのクラスを提供する。ダンスもヨガも、ユーザー(参加者)と作り上げるスタイルが定評。またシネマトグラファーとして、依頼主の作りたい世界観を築き創るコンセプトで動画制作を行っている。
ユーザーさんたちが、自分が昨日よりちょっとかっこよくなっていることに気づいてもらえるように、スキルを活かして日々邁進中。モットーは「地球規模で考え、地元で行動」「しんせつなひと」
---------------------------
看護師、保健師、RYT(全米ヨガアライアンス)500、メディテーション(瞑想)講師、JCDN主催コミュニティダンスファシリテーター養成講座修了生
最新の投稿
しんせつスタジオ北久里浜店2025.02.07アナーキズムってなんだろうその2
しんせつな独り言2025.02.05アナーキズムってなんだろう
しんせつスタジオ北久里浜店2025.01.29エイトカウント要りますか?
しんせつな独り言2025.01.27表現者としてのマナー