動きだけで表現せよ〜殺陣編〜

「王女ハムレット」に出演

みうらとしる、この夏シェイクスピアの代表作「ハムレット」に挑みます。
役柄は、なんと、なんとレアティーズ（レイアーティーズと訳されているものもある）です！
演出はなおこるりん（俳優名はナオッチ・コルレオーネ）さん。2年前、Y劇場「森、森。」にて共演させていただいたのがきっかけで、今回のオファーをいただきました。ありがとうございます！

散歩〜散歩〜だよ

なぜ俳優経験もなく、俳優志望でもない私に準主役（と勝手に言っている）であるレアティーズ役をいただけたのか。それはラストの殺陣があるからでした。殺陣をこなすための身体能力がある人を探していたそうです。とは言え、私は殺陣をやった事は1度もありません。はたしてできるのでしょうか…？

殺陣の講師を務めてくださるのは、つる先生ことつるこうすけさん。北久里浜にて「つるのたて」教室を開いていらっしゃいます（しんせつスタジオ北久里浜だから近所！）。

ハムレットでの初稽古は4月、それから約１か月に１回程度の稽古。つまり本番まで…え、３回かな！？えー、、、まあそういうことってことは

そういう感じでもできるものなのかなあ← それくらいの気持ちでしたが

初稽古。ヒィぃぃ。笑顔でスパルタ、てか自分が教わる姿勢であることが間違っていた。これは「盗む」だ！まさに背中を見ろ、いや振る舞いを見ろ、か！ゆとり代表（同い年の役者さん達にめっちゃ失礼）、少しでも先生に「違う」「そうじゃなくて」とか言われちゃうともう泣きそうになる。「教わっていないですもん！」「さっきと違うもん！」と言い返しそうになる、いや向こうからしたら教えているんだぜ。。。

「散歩するような感じで、それぐらい楽に簡単にできないとだめだよ。」言ってることはわかるんだけど、それが1番難しいというか、達人の域に達した事でできる技なんじゃなかろうかと心の中で思いつつ。

動きにストーリーがある

ダンサーなら、振付覚えるの得意でしょ、と思ったそこのあなた。違うのよ。私は人の振り付け覚えるのめっちゃ苦手なのよ、まして対相手、足を引っ張ってしまうかもしれない恐怖でコンタクトとか好きな割に人に振り付けて自分が満足してきた人← とにかく団体競技は避け、個人でなんとかできる道のりできた人なのです。はい言い訳です。

ただ、体の動きを必死に覚えようとするとなかなか難しかったのですが、振り付けに込められた一人一人の設定やストーリーを聞くと動きやすくなってきました。ダンスと比較すると、物語が明確にあり、即興ではなくちゃんと結末が決まっているので、運ぶ道筋があります。自分の役はもちろん、相手の役も、こういう思いや背景があって、だから、この動きにつながり、その動きに呼応するように、次の動きが生まれる…ある意味では、当たり前のコミュニケーションですよね。それがソード２本でやりあってるってだけですよね← こうした筋書きを踏まえた上で動くとやりやすいということに気づきました。そうすると、ただ、相手とやり合うと言う演技ではなく、さらに演技も深めることができる。

また、狙いを明確にすること。剣を下ろす方向性を明確にすること。斜めに下ろすのか、まっすぐにおろすのか、相手をつくのか。本当に刺すわけではないので、つい当てないようにと変に相手から逸してしまったりすると、見た目はもちろん悪くなる。それに、ちゃんと狙って振ればおのずと相手が避ける方向は定まるので、流れがスムーズになります。自分の動きだけ覚えるのではなく、相手の動きありきで流れを捉えることが大事なのですね。

動きだけで表現せよ

今練習中のこの殺陣、舞台のラストに来る重要なシーンである事は間違いない。物語の末にハムレットとレアティーズが戦うことになるわけですが、つい目や顔が殺気立つというか、もちろん殺陣をこなさねばと言う緊張もありますが、ついつい相手を負かそうとするための演技をしなければと練習の時から、既に力んでしまう。つる先生曰く「動きだけで充分表現できる、演技は後！」と、逆に言えば、動きだけで表現せよと言うことなのです。顔や表情だけで表現しようとするのではなく、動きだけで充分ストーリーは表すことができると言うのです。

これは実は私が日ごろからレッスンでも言っていることで、つい表情から入りたくなってしまう…私は高校でダンスを始めた頃から"顔で踊る”と言うことに非常に苦手意識のある人でした。もちろん、ショーダンスなど笑顔でニコニコで踊る！とか大会作品で真剣な表情で踊る、とかそういう事は言われた通りにやってきたんですけれども、顔だけで踊る人って、体の技術が追いついてないことが多いと感じていたのです、その時から既に。とはいえ、後で「あぁ顔も踊るツールとして使えばいいのかなるほど」と分かってからは、徐々に無表情ダンサーではなくなってきました。笑

今は、SNSなどで見るかっこいいダンサーさんや役者さんの豊かな表情などを見ていることが多いから、ついそこから入りたくなってしまうのかも？表情から作るのって体を鍛えるよりも早いしやりやすいし。気持ちはわかるのですが。画面越しに見ていると、いっそう表情の動きの方が目立つ(？)。生の舞台を見続けていれば、体全体からの迫力やエネルギーを受けることができるので、自分がやってみたときに、そういう顔だけで踊るみたいな現象には多分なりにくい気がするんですが…まぁ、それぐらい表情や視線が協力ってことですよね。前回のダンスバトルの記事でも書きましたが。

顔は後！というか、顔も表現のツールの一部だと思って、コントロールすべし。表情作りってそんな甘いものじゃないんです。もちろん、動いているうちに楽しくなって、自然と表情が出てくるということが素晴らしいのですが、表情ばかり先に作りに行くと、体全体の動きがおろそかになってしまう。動きだけでも充分表現はできると。自分にも肝に銘じて、今日も殺陣の稽古がんばってます。

7月はぜひ「王女ハムレット」へ

なおこるりん選抜の最強役者たちが全力で挑むシェイクスピア、ぜひ観に来てほしいです。
※私は遅番レアティーズ役です。

なおこるりん第3回企画　劇団Over Style復活解散公演
「王女ハムレット」

原作 W・シェイクスピア (ハムレット)　「彼女は英雄か　それとも狂人か」

場所：横須賀市立青少年会館
〒238-0016 神奈川県横須賀市深田台３７

2025年7月12日㈯
13時開演　早番チーム
17時開演　遅番チーム

7月13日㈰
11時開演　早番チーム
15時開演　遅番チーム

(開場は開演30分前です。上演時間は110分を予定しております)

チケット　
一般前売　　2500円　
　　当日　　3000円
高校生以下　1000円

チケット予約シバイエンジン　↓みうらとしる扱い↓

https://shibai-engine.net/prism/webform.php?o=o2ud2rf9

なおこるりんHP

https://naokorurin.crayonsite.com

企画・演出　なおこるりん

＃なおこるりん
＃王女ハムレット
＃劇団OverStyle

お待ちしています！！

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