表現者のためのヨガ

突然ですが、石井久美子さんをご存知でしょうか。バレリーナで「世界水準のバレエ教育を、日本から。」と日本でバレエ教育に勤しむ彼女。実はオーナーみうらとしる、同い年なのです（母なる大地の衝撃）。以前誰かに「指導の仕方とか体を動かすことへの意識が石井久美子に似ている。」と言われて、ふーんと思ってYouTubeを見始め、似ても似つかなくて失礼なのですが（そうそうそう！みたいなところは似ているかもしれない）、彼女のバレエへの飽くなき探究は目を見張るものがあると感じています。

そんな彼女はバレエの新常識を打ち出したりとなかなか破天荒な印象も受けますが、「石井久美子さんの言っていることって、Bowspringじゃね？！」と、みうらは思うのです。　→Bowspringって何？という方はこちら　

胸椎伸展や背中を丸めて使うこと、呼吸を使うこと、など。バレエは人間の解剖学的に正しい位置を超えた、つまり正しく無理のないポジションではバレエができないことが彼女のYouTubeを見ていると感じさせられます。

そりゃあ。そうですよね、だって自分にできないくらい高く足が上がって、あんなにクルクル回って、あり得ないくらい反って、、、それを涼しい顔でこなすのがダンスのかっこよさですもの。私はダンス＝ちょっと体に悪いことをする、と思っています。

今までずっと、解剖学的に正しい位置や向きはこっちだけど、ダンスで反対のことしている？無理しているのはダメなんじゃないの？とジレンマを抱えていましたが、その結論は「その不可能を可能な動きにするためにも、Bowspringを使ってパフォーマンスへの体のよはくを最大限広げておけばいい！」となりました。体のよはくとは、の前に。

また、先日、象の鼻テラスにて安藤洋子さんのワークショップを受けました。彼女も海外で活躍してきたバレエ、コンテンポラリー界の名だたるお一人。その感覚は非言語的で、でも特別新しいものを得たというこよりも「あ、やっぱり体を伸ばすってBowspringだな。」と再認識したのでした。むしろBowspringで身体を伸ばした方がもっと効率よく、格段に伸びるのになと思う場面もありました。彼女の言葉に「ベストなポジションを舞台に立っている時に探してるのでは遅い」とありました。おっしゃる通り。そして多くの表現者たちが、実は自分の「最高」を発揮しきられていないまま、舞台に立ち、なんとなく達成した気になる（無自覚）or不完全燃焼で終わる（自覚あるが妥協）、となることが多いのではないでしょうか。

つまり体のよはく、とは、自分が力を込めてやらずとも最初からそのポジションに持っていける可動域まで、伸長進展させておいた状態と私は勝手に定義。関節の余白、空間の余白、脳（ごちゃごちゃしていると集中できない！）の余白、、、など。そうしたら無駄に関節を摩耗させたり、筋肉を酷使しなくてもよくなる！

からだ、と聞くとつい脳やその周りの空間のことは切り離してしまうけど、そうではないのです。パフォーマンスの深度は、その自分と自分の周りのあらゆるものを一体化させる（しているように伝える）ことで高まるのです。

RYT500で学んだBowspringをダンサー、楽器奏者、歌手、役者、あらゆる舞台表現者に受けてもらい、その自分の力を最大限に発揮できる身体にしてほしい。そのために私の指導やファシリテーションをいかしたい！と強く思うようになり、「表現者のためのヨガ」を開講しました。

このヨガが本当に表現者たちにベネフィットがあるのか…実際に受けてもらって感想を聞かなきゃ！と思い、私が頼ったのは現役のプロバレリーナである同級生の名倉詩織さん（愛称：しーちゃん）！

詩織さんは私の高校の同級生、ダンス部で共に踊ってきた仲間のお一人なのです。彼女に実際に私のBowspringを受けてもらいました。さすがバレリーナという言葉では安っぽい？ほど今でも十分十分魅力的なダンサーだけど、ポテンシャルがありまくりで。以下は詩織さんからの感想です。

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「バレエダンサーという仕事柄、自分の身体をより良く理解する為に…そして上手く自分の身体を使えるように…今までヨガ、ピラティス(マシン、マット)、ジャイロキネシス、ジャイロトニックetc.
ありとあらゆるものを試して通っていました。

今回受けた、あまり名前に馴染みがない、ボウスプリングヨガ…
受けてみたら、なんとも言えない新感覚…！まさに今まで受けてきた色んなアプローチの良いとこどり…！

自分の身体って、自らの力だけでこんなに伸びることができるの？身体のクセも、思考のクセも取っ払って、どんどん新しい未知の自分へと連れてってくれました。

としる先生はダンサーのためのコンディショニングヨガ、や姿勢改善ヨガと謳ってくれていましたが、私はレッスンを受けて思いました。その名前じゃもったいない…

だがしかし、ぴったりくる、しっくりくる良い名前が見つからないのです。
中秋の名月の今日、月を見ながら考えた夜。うーん、新しい私に出会うヨガ…？
ここで皆さんにお願いです、ぜひ一度ボウスプリングヨガを受けてみて、一緒にしっくりくる名前を考えて頂きたい…！！

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なんともユニークで詩織さんらしさ溢れる感想♡ありがとうございます！詩織さんは、「力を抜いて揺らぎの中で踊る」「ありとあらゆる関節の隙間を開けたい」と、私の知っているとにかく引き上げるバレエ、の体の使い方とは少し違う着目点や気づきを元々持っていました。

解剖の知識もちゃんとあり、自分の経験と感覚を言語化でき、より身体を伸ばす方向性について、正しい認識を持っている稀有なダンサー。何より「バレエにヨガは合わない」「Bowspringってなんかとっつきにくい」といった先入観なく、「やってみたい！」とすぐに快諾してくれるそのオープンマインドさ。それが爪先指先までしなやかに伸びていく表現力の根底を支えているのかもしれないですね。

そして詩織さんの言ってくれたように当初「ダンサーのためのコンディショニング」という名前だったクラス名、悩み悩んだ名前ですが、ひとまず「気づいていなかった伸びしろをどんどん開くパフォーマーのためのヨガ」に落ち着きました。

表現者たるもの、自身の身体の最大限の力を常に発揮できるようにしたいもの。解剖学に基づく正しい身体の使い方や正しいディレクション（方向）を学び、最高のパフォーマンスをするために「自己整体」してもらうクラス。

舞台表現者でなくても誰が受けてもBowspringはとても良いヨガですが、このクラスは不調のケアやメンテナンスという段階からさらに、身体の伸びしろを自分のパフォーマンス力アップのため拡大していく、ことを目的とするため、あえて対象を舞台表現者としました。動ける前提なので強度もやや高いです。

毎週月曜日17:30〜18:45　
今よりも一段二段上、最高のパフォーマンスを発揮したいあなた。しんせつスタジオ北久里浜店にてお待ちしています。

名倉詩織さんprofile

4歳より読売文化センター横須賀　橘バレエ教室にてバレエを始める。
エコール横浜牧阿佐美バレエスタジオ、日本ジュニアバレエを経て、ドイツ　ニュルンベルク州立バレエアカデミーへ2年間留学。クラシックバレエの他、キャラクターダンス、コンテンポラリー、モダンダンス、ジャズダンス、フラメンコ、ヒップホップ、教育学、解剖学などを学ぶ。
帰国後バレエシャンブルウエスト入団。
以後定期公演、清里フィールドバレエ、巡回公演等、多数舞台に出演。
現在も公演活動をする傍ら、子どもから大人まで幅広い世代に指導している。

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