やさしさ広がる


多様性(diversity)と包括(inclusion)

よく一緒に使われるこの言葉。しかし実は対義的で「緊張関係にある」と言うのは美学者の伊藤亜紗さん。

「日本ではマジョリティにマイノリティーをインクルージョンするかたちになりがちで、結局多様性を消している」とのこと(KAAT PAPER 長塚芸術監督とのインタビューより)

「障がいのある人もない人も〜…」という文句はいつも違和感しかないし、そもそもカタカナの長いやつが好きじゃないみうらだが、こういったイベントはまさに多様性(diversity)と包括(inclusion)とうたっていそうなものである。ところが今回のイベントはどこにもそれが書いていない。

「やさしさ広がる」ううむ、どういうことだろう。

やさしさというのは授与よりも感受の連鎖なんだと思う。

人から、やさしいを受け取れると嬉しい。今度は私がやさしくしたいって思える(特に妊婦さんはやさしくしてもらえてずっとこのまま甘えていたい)

何が言いたいのかというと、人のために世のため、も大事だけど、やっぱ好きなことを好きなだけそれぞれがやっている中で、勝手にみんなが誰かの「やさしい」を見つけて感じたらいいんじゃないかなと。ふれあいフェスティバルはそんな雰囲気があってなんだか好き笑。

やさしいを押し付けられて気づくより、そこにあるのを感じ取れる人間であるとよいよね。

「しんせつ」って名前はどうなんだいというと。実は私が作った元祖ダンスグループ名は「親切ダンスカンパニー」

かくいう私も“障害国籍性別問わず誰でも踊れるダンス集団”を掲げていた。名前に関しては好きな言葉だっただけで、特に意味はなく。

しかし「親切って言葉は嫌い!」「団体名に入っているなんて押し付けがましい」と当事者団体さん(まぜこぜを唱えるタレントさん)から度々言われた。

「そんなつもりじゃなかったのに」ってなることは往々にしてある。でも厳しくいうと、熟慮が足りなかったとも言える(実際、親切って言葉が好きだっただけでほんと何も考えられていなかった)。考えに考えすぎて行動に移せないのも勿体無いし、勢いで後悔することもある。発信側にいるといつもそんな感じだけど、せめて受け取る側としてのアンテナは常に、繊細に保ちたい。疲れない程度に。

ちなみにしんせつ、は色んな意味がある。今では平仮名で結構気に入っている。

多様性(diversity)と包括(inclusion)という冒頭からはやや逸れたが、そうやってラベリングしたり括るのではく、やっぱり一人ひとり感じ方は違うよってことと、それは一人ひとりにじっくり向き合わないとなかなかわからないものだなと思った、ステージなのでした。出演してくれたスタジオのみんな、ありがとう。


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