コンテンポラリーっていいな

「今この瞬間」を共に創る。舞台芸術における「対話」とコンテンポラリーの本質って。

先日、ある劇団さんの稽古場にお邪魔し、舞台作りにおける「本物」とは何かを深く考える機会があって。表現者同士の濃密な対話が、作品に圧倒的な深みと命を吹き込んでいるのを感じたのです。

「会話」ではなく「対話」が舞台を深化させる

稽古場にお邪魔し、すぐ目に入ったのは、流木で作られた次回作のセット。わあ、本物だ、と!そして早速立ち稽古が始まるのかな、と思ったら…

「暖房あったまるまで向こうで宿題(劇テーマについて役者自身が自習をしている)の話しよう」「コーヒーがいいかな、お茶がいいかな」「このお菓子食べていいのかな!?」…稽古始まらない(笑)

そしてさあ稽古だ、セットに立ち、いざ。今回は人形劇に初挑戦とのこと。

「この動き、これでよかったかな」「この一歩はどういう意味がある?」

…ずーっと話している!!全然進まなさそう!(笑)
でも、だらだらしているのでは決してなく、すべて演劇を、表現を深化させるための過程。進化を急ぐよりも、大事なのは深めること。演出の言う通りにすれば、もっと早く稽古自体は進むかも知れない。でも果たしてそれが本当にお客さんに届く表現になるだろうか?観客の胸を打つリアリティ。各自がテーマを徹底的に調べ、登場人物の行動背景について場面ごとに議論を重ねるその過程は本物。積まれた時間が、舞台に表れてくる。

単なる日常的な「会話」と、互いの理解を深めるための「対話」は全く別物。

こどもたちに届けるのは「大人の真剣な背中」

しんせつスタジオ北久里浜店では、こどもを主体にレッスンを進めるという試みを今しています。例えば、「自由に動いてごらん」的な無理やり創作ワークではなく、ウェイン・マクレガー風に言うなれば何か一つタスクを抱えた上で動いてみたり(目の前に実際にあるものないもの、いろんなパターンで)。レッスンの流れ自体も「次は何する?どうする?」「ここはこんな順番にしよう!」とこども同士で話し合って進めてもらったり。最初はそれぞれ“自己主張”激しく、大人としては口を出したい手を出したいことはたくさんありましたが、回を重ねると、なんだかうまく進むようになってきたので、やっぱりこどもってすごいなあと思うのと、待つのは大事やねんなと思うのでした。

一方で、こどもを軸に据えた舞台芸術において大切なのは、こどもを単に参加させることではなく、 何かに「マジ(真剣)」になっている大人の熱意を、芸術という形で提示すること。レッスンの時だって、なんだって私はいつもマジです。マジで踊るし、マジで怒る時もあります(笑)

何かに熱くなるって、マジになるってなんか恥ずかしかったり、かっこ悪いって、とくにこどものうちは思ったりするかも知れない。下手したら、こどもを擁護するのが大人でしょう?って思っているこどももいるのかも。そんなことないよ、大人だって一人の人間なんだから、ちゃんと感情や熱を持って動くんだよって。そのかっこ悪い大人の姿こそが、こどもにとって「あれでいいのか?」じゃないけど(笑)自分の内面と向き合う「対話」のきっかけとなります。

「コンテンポラリー」の再定義:ジャンルを超えて

「コンテンポラリーダンス」という言葉が、いつの間にか特定のスタイルにラベリングされていないだろうか。ジャンル分けって基本的に「時短」のためですよね。例えば映画だって、色々端から見ていたらいい映画に出会えるかもしれないけど、「コメディが見たいな」と思えばそのジャンルからしか探さない。そもそもそのジャンルを誰が決めたかも知らずして。とにかくコンテンポラリーという“ジャンル分け”は私にとってずっと違和感でした。

そしてなんとなく「うう・・・」って苦悩を表現するとか、そういうものだと一般的に捉えられるようになり、崇高な感じ、、、も出てきたところで。横須賀ではコンテンポラリーってまず通じないし、しばらく使うのやめていたのです。「ダンス」が一番なんだけど、それだとさっきの映画のジャンルじゃないけど、集客が難しいみたい。あと最近はジャズダンスになんとなくコンテ的な要素が食い込んでいる気がする。

今回、劇団の稽古場にお邪魔して、コンテンポラリーの語源である「同時代の」「同胞の」という意味に立ち返ったとき、一つ確信しました。 「今この瞬間、同じ時代を生きる者たちが、リアルタイムで対話を重ねながら空間を創り出すこと」。それこそがコンテンポラリーの本質なんだなって。私はまた「コンテンポラリー」って歩もう、となんとなく決めたのでした。

呼吸する「有機的な空間」の魅力

舞台を「生きている生物(なまもの)」にするために、素材や音へのこだわりは欠かせません。舞台は基本的に音とかなんでも電気信号に変わっていくことが多いけども、本物の木や自然の素材、木材という意味ではなく流木とかの、その歪さを活かしたセットなどを用いて、そこに人間が立つことで、舞台が「呼吸をする空間」へと変わります。

あらかじめ録音された「死んだ音」に動きを合わせるのではなく、身体の動きを見て音を作るというベクトルでの創作。この即興的な対話によって、その場にしか存在しない有機的な結びつきが生まれます。特にこどもに向けた表現において、こうした「本物の舞台空間」を見せることは大きな意味を持つと思う。

舞台は完成された結果を披露する場である以上に、その時間自体が「プロセスの積み重ね」です。 人間らしい日々の揺らぎさえも包摂し、今この瞬間に全力を尽くす。そんな「不確かさ」を分かち合う舞台空間こそが、現代において最も贅沢で本質的な体験なのかもしれません。

これからも、様々な表現者や音楽家と手を取り合い、この「今」を創り出す「コンテンポラリーな生き方」を追求していきたいと思っています。

The Dialogue of Contemporary Dance and the Living Stage


Creating "This Very Moment" Together: The Essence of Dialogue and Contemporary Performing Arts

Recently, I had the opportunity to visit the rehearsal space of the theater group "Rekitei," which led me to think deeply about what "authenticity" means in stage production. What I felt there was a profound truth: the dense dialogue between performers is what breathes life and overwhelming depth into a work.

1. "Dialogue" Deepens the Performance, Not Just "Conversation"

In creating a stage production, there is a world of difference between casual "conversation" and "dialogue" aimed at deepening understanding. At Rekitei’s rehearsal, members thoroughly researched their themes and spent hours discussing the background motivations of each character for every single scene. Because of this process—where everyone openly shares their thoughts and values—the expression transcends a superficial "half-baked" state and gains a reality that truly moves the audience.

2. Showing "Serious Adults" to Children (Kodomo)

In performing arts centered on children (kodomo), the most important thing is not simply making them "participate". It is about presenting the passion of adults who are "getting real" (serious) about their craft as a form of art. Seeing adults as "cool" and deeply committed to their expression becomes a catalyst for children (kodomo) to begin a "dialogue" within their own hearts.

3. Redefining "Contemporary": Beyond the Genre

For a long time, I felt a sense of discomfort with the word "Contemporary Dance" being labeled as just another genre, often used for the sake of "efficiency" or "shorter" decision-making. It often gets pigeonholed into specific styles, like "expressing agony".

However, returning to its etymological roots—meaning "of the same era" or "peers"—I reached a new conviction. "Creating a space in real-time through continuous dialogue with those living in the same era, at this very moment." That is the true essence of "Contemporary". Through this redefinition, I have decided to once again embrace my identity as a "Contemporary Dancer".

4. The Charm of an "Organic Space" That Breathes

To make a stage a "living creature" (namamono), the choice of materials and sound is essential.

  • Natural Sets: By using real materials like driftwood for the set, the stage becomes an "organic space that breathes," rather than a "dead" one transmitted via electronic signals.
  • Live Music and the "Reverse Vector": Instead of matching movements to pre-recorded "dead" audio, we embrace a "reverse vector" where music is created by watching the body's movements. This improvisational dialogue creates an organic bond that can only exist in that specific moment. Presenting such an "authentic stage space" is especially meaningful for children (kodomo).

Conclusion: Living "Contemporarily"

The stage is more than a place to showcase a finished result; the time spent there is a "accumulation of processes". By embracing the natural fluctuations of being human—even the daily shifts in our condition—and giving our all to "this very moment," we create something real. Sharing this "uncertainty" in a live space may be the most luxurious and essential experience in our modern world.

I look forward to continuing my journey of "living contemporarily," taking the hands of various performers and musicians to create this "now" together.

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投稿者プロフィール

三浦桃実
三浦桃実
看護師、ダンスファシリテーター、ヨガファシリテーター、シネマトグラファー。しんせつスタジオ代表。神奈川総合高校にて創作ダンスに出会い、神奈川県立保健福祉大学にて親切ダンスカンパニーを設立。様々な領域や枠を越えたメンバーで、地域に繰り出し踊ってきた。ダンスを言語として捉え、自分の思いを自然な動きで伝えるダンスのスタイルを編んでいる最中。ヨガ指導資格をリブウェルインスティテュートにて取得し、Bowspringや親子ヨガ、スタイルアップヨガなど、毎回哲学的なテーマを織り込んだオリジナルのクラスを提供する。ダンスもヨガも、ユーザー(参加者)と作り上げるスタイルが定評。またシネマトグラファーとして、依頼主の作りたい世界観を築き創るコンセプトで動画制作を行っている。
ユーザーさんたちが、自分が昨日よりちょっとかっこよくなっていることに気づいてもらえるように、スキルを活かして日々邁進中。モットーは「地球規模で考え、地元で行動」「しんせつなひと」
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看護師、保健師、RYT(全米ヨガアライアンス)500、メディテーション(瞑想)講師、JCDN主催コミュニティダンスファシリテーター養成講座修了生

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