Why We Love This Uncertain Space

舞台作品「偏愛エントロピー 私達が舞台を愛する不確かな理由」に込められたおもい、みたいなもの

私は作品を作る時、タイトルをつける時、なんだかふと閃いたり(バイク走行中が多い)、書き溜めていた言葉からとってみたりするのですが、特段強いメッセージ性とか、テーマがめっちゃあることは実はそれほどないのです。むしろほぼ意味なしというか。「桃実さんはこんな思いがあるのですね」「メッセージ性がありました!」という方々は多分恐らくとても感受性が高く嬉しいです(でもごめんなさいあまりそういう意味もなかったりです…)

今回のタイトル、「偏愛」とは、自分のやりたい曲や一緒にやりたい人たちを集めて作るという、表現者の主観的な「偏り」を指しています。だって、どう考えても舞台作りって偏愛の塊じゃないですか。

一方で「エントロピー」は、宇宙物理学などで使われる「不確実性」や「複雑性」を意味しています。私は本来、計画通りに進まない不確実なものが苦手ですが、舞台は生身の人間が作るため、本番で何が起こるかわからない「エントロピーが高い」場所。この「偏り」と「不確実性」が混ざり合う舞台という空間を、なぜ私たちは愛してしまうのかという問いを、なんとなくそれとなくこの作品で伝えたかったのかも知られないです。

こうして世に出したものの、実は、色々自主公演やってきた中で一番緊張した瞬間でした。過去最多の動員数と規模であったし、何よりも私の「独りよがり」に終わるのが怖くて。稽古場は毎回笑い絶えず、出演者の皆さんも「稽古がいつも楽しかった。次も出たい!」と言ってくれて、それはとても嬉しいことなのですが、市民芸術の怖さってそこで。作品作りにおいて自分たちだけが楽しいという「独りよがり」で終わることを危惧していました。

でもね、「独りよがり(自分の信念)」もまた大切なのです。それは芯であり軸であるから。世間に受けるもの(大衆性)を狙いすぎると表現が表面的なものになってしまうため、自分の伝えたいメッセージを信じる「独りよがり」な部分と、それをお客さんに届けるためのクオリティを追求する姿勢の両方が重要と言えます。

本当に「楽しい!」「良い!」と思って作られたプロセスからは、きっと良いものができるはず、なのです。私は途中、自分の作品や、失礼ながら表現者の皆さんまでも信じられなくなった時期がありましたが演出がそんなのでどうする、と気を取り直しました。舞台を信じ続けました。そのプロセスが、結果的に素晴らしい結果となっただけなのだと、今回実感しました。

「観にきて良かった」

「作品はダンスという枠に留まらない身体表現」
「なんかわからないけど感動した」
「まだ観たいと思っていたら終わってしまった。もう1回観たい」

多くの方が「観にきて良かった」と言ってくださり。それは裏を返せば「本当に大丈夫すかこの公演」って絶対思っていたのだと思う(笑)失礼ですが。でもその安堵を超えて感動のレベルまで持っていくって大変なことだから。

舞台は、演者とお客さんが同じ空間で「呼吸の調和」や「身体の対話」を行う場所。よく「本番に強い」「本番はお客さんの前でテンション上がるからなんとかなる」とか言うのも、わかりますけど、観客ってそんな甘いものじゃない。冷えれば冷えるし、熱ければ熱い。大切なのはそういうお客様の呼吸を感じられる「よはく」を持って舞台に立つこと。無視も違うけど、お客様の温度に引っ張られないことも大事。

練習は本番のように、本番は練習のように。そのための身体作りなんです。

プロではない市民レベルの表現であっても、観客から対価(時間やお金)をもらう以上、単なる自己満足やプロの真似事(二番煎じ)ではない、「唯一無二のもの」を作る厳しさが必要だと私は考えます。

今回も、正直に言えば、ダンス経歴の長い者から全くの初心者まで巻き込み作り上げた舞台。俳優だろうと、歌い手だろうと、今回やることは「ダンス」。ダンサーとして鍛えられ、そこに堂々と存在感を放つ立ち振る舞いは、経験の長さにやはり敵わないところはある。やっぱり全員が見応えのある身体でというのは、市民芸術において少し難しさもあると今回痛感しました。でも一人一人、本当によく頑張ってくださいました。

それこそ、ダンス経験者縛りで作っちゃえばいいじゃんと思われるかもしれませんが、この人のこの身体が舞台にある、ということが容易に想像がつく人のみを選出しました私の中で。あの人がこれやっているところみたい、とか。職権濫用、やはり偏愛なのです(笑)。

なぜ不確実で厳しい舞台という世界に、私たちはこれほどまでの愛(偏愛)を注ぐのか。

最後に、もうひとつ感想で「偏愛というタイトルだけどみうらとしるさんの普遍的な愛を感じた」とおっしゃってくださった方がいて。嬉しかったなあ。結局何を伝えるにも、色々言ったけど、愛があれば届くと思うんです。逆にどんなハイクオリティの舞台を見せつけられたとしても、そこに表現者たちの舞台に対する愛がなければ、演出家の表現者への愛がなければ、観客の舞台に対する愛がなければ、心揺るがすものにはならないと思う。

甘くみる、って意味じゃなく。愛のある正直な批判を受けることによって、文化芸術は、市民レベルでもこんなにレベル高いんだって思わせるような、そんな舞台をもっと作り上げていきたい。

舞台が、人が、好きなんですねえ、私は。

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投稿者プロフィール

三浦桃実
三浦桃実
看護師、ダンスファシリテーター、ヨガファシリテーター、シネマトグラファー。しんせつスタジオ代表。神奈川総合高校にて創作ダンスに出会い、神奈川県立保健福祉大学にて親切ダンスカンパニーを設立。様々な領域や枠を越えたメンバーで、地域に繰り出し踊ってきた。ダンスを言語として捉え、自分の思いを自然な動きで伝えるダンスのスタイルを編んでいる最中。ヨガ指導資格をリブウェルインスティテュートにて取得し、Bowspringや親子ヨガ、スタイルアップヨガなど、毎回哲学的なテーマを織り込んだオリジナルのクラスを提供する。ダンスもヨガも、ユーザー(参加者)と作り上げるスタイルが定評。またシネマトグラファーとして、依頼主の作りたい世界観を築き創るコンセプトで動画制作を行っている。
ユーザーさんたちが、自分が昨日よりちょっとかっこよくなっていることに気づいてもらえるように、スキルを活かして日々邁進中。モットーは「地球規模で考え、地元で行動」「しんせつなひと」
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看護師、保健師、RYT(全米ヨガアライアンス)500、メディテーション(瞑想)講師、JCDN主催コミュニティダンスファシリテーター養成講座修了生

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