夢みる小学校 完結編

【映画レビュー】テストも通知表もない?「夢みる小学校 完結編」に学ぶ、子供の「自由」と大人の「覚悟」

※今回の記事は読んで分かる通り、noteboolk LMさんに動画を基に書き起こしてもらったものです。本人直筆ではございません!力尽きてしまい文明の力を頼ってしまったことをお許しください。でもnoteboolk LMさんは日頃より大変重宝させていただいております。無料なんてすごすぎ。ありがとうGoogle!

YouTubeは長いし文章も読めん!という方のために私のことを男だと思い込んでいるLMさん方の音声解説も作りました。https://notebooklm.google.com/notebook/a2cd6af6-cdcf-47b8-903d-e1963f034915?artifactId=685e14ab-689f-4881-8f1e-c0fe6552b326

「テストがない」「通知表がない」「先生がいない」。 私たちが慣れ親しんできた「学校」というシステムの対極にあるような言葉を並べられたとき、多くの大人は反射的にこう思うはずです。「それで本当に大丈夫なのか?」「社会で通用しなくなるのではないか?」と。

しかし、映画『夢みる小学校 完結編』が描き出すのは、そんな私たちの不安を静かに、かつ力強く笑い飛ばすような、子供たちの瑞々しい生命力でした。本作は、山梨県にある「南アルプス子どもの村学園」の日常を追ったドキュメンタリー。前作から成長した中学生たちの姿、そして公立学校での実践例を大幅に加えた「完結編」は、教育の理想論を語る物語ではなく、すでに日本各地で芽吹いている「教育の成功モデル」の記録です。

教育・ウェルビーイングをテーマに生きる書き手として、この映画が投げかける「自由」の本質と、それを見守る大人の「覚悟」について、深く思索してみたいと思います。

1. インパクトの正体:危なっかしい「手つき」を見守る勇気

映画の幕開け、観客を圧倒するのは、一人の子供が電動工具(インパクトドライバー)を握るクローズアップのシーンです。注目すべきは、その子が「素手」であること。大人の常識からすれば、「危ない!」「軍手をして」「もっとまっすぐ打って」と即座に口を出したくなるような、ヒヤヒヤする場面です。

実際、ネジは斜めに入り、なかなか木材に沈んでいきません。しかし、傍らで見守る大人は決して手を出しません。堀園長の「楽しくなければ学校ではありません」という言葉の裏には、深い洞察があります。ここで言う「楽しさ」とは、安易な娯楽ではなく、自らの「問いを育てる」プロセスそのものです。

答えを教え、大人が先回りして失敗を摘み取れば、作業は効率的に進むでしょう。しかし、それでは子供から「なぜネジが斜めに入るのか?」「どうすれば入るのか?」という、学びの根源である「問い」を奪ってしまいます。大人の内側にある「教えたい、正したい」という衝動を抑え、子供の危なっかしい試行錯誤を「待つ」。その勇気こそが、子供の生きる力を育む土壌になるのです。

2. 「規則だから」は理由にならない:合理的なルールの再定義

本作には、私たちが抱く「学校の規律」への違和感を浮き彫りにするシーンがあります。例えば、体育館で話を聞く際、子供たちは整列しません。

そこにあるのは、「後ろの人が見えなくなるから、1列に並ばない」という極めて合理的な判断です。彼らは、自分が最もよく見え、かつ他人の邪魔にならない場所を自ら選びます。「規則だから守れ」という思考停止を強いるのではなく、「自分たちが過ごしやすくするために、ルールを再定義する」という姿勢。これは、みうらとしるが提唱する「3つのC」の一つ、**Critical(批判的思考)**の体現でもあります。

3つのCとは・・・
Creative(創造的): 自ら何かを創り出すこと。
Critical(批判的): 物事をありのままに観察し、違和感や疑問を持つこと。
Celebrative(祝福的): 子どもの存在そのものを丸ごと祝福し、幸せを循環させること。
最近Choiceful(選択可能な)、Cool(つまりカッコよければいい)も入れてみたり。みうらとしるの行動基準としてのオリジナル概念です。

既存のルールを素直に観察し、違和感を覚え、必要ならば変えていく。この「クリティカル」な視点こそが、硬直化した社会を生き抜くための知恵となります。

3. 驚きの事実:公立学校でも「明日から」変えられる?

この映画が真に革新的なのは、「私立だからできる特殊な事例」で終わらせない点です。完結編で追加された公立学校の取り組みは、私たちに「希望」という名の衝撃を与えます。

劇中で語られるのは、「学校教育法37条」などに規定された「校長権限」の大きさです。実は、校長の裁量ひとつで通知表をなくし、時間割を組み替え、学校のあり方を劇的に変えることは制度上可能なのです。本作は、すでに一部の公立学校でこの変革が成功しているモデルを提示しています。「制度のせい」にして変化を拒む言い訳を、この映画は鮮やかに封じ込めます。

4. 「先生」と呼ばない関係性:対等な学びの場を作る

映画の語り手である三浦氏は、自身のダンススタジオでも「先生」と呼ばせないことにこだわっています。その理由は、この呼称がもたらす「上下関係」への強烈な違和感にあります。

「先生」と呼ばれた瞬間に、教える側と教わる側の間に見えない壁ができ、同じラインに立てなくなってしまう。三浦氏は、その関係性を「痒い(かゆい)」「くすぐったい」と表現します。指導者が「導く者」として君臨するのではなく、共に驚き、共に学ぶパートナーであること。呼称を捨てるという小さな一歩が、子供たちが自分の声を上げるための「心理的安全性」を確保するのです。

5. 自由の裏側:大人が「責任」を引き受けるということ

「自由には責任が伴う」という言葉は、しばしば子供を管理するための「暴力的な言葉」になり得ます。しかし、この映画が提示する「自由」の定義は、その一段上の次元にあります。

「子供には自由にさせ、その責任はすべて大人が引き受ける」。

この大人の圧倒的な覚悟こそが、子供たちの探究心を解放する盾となります。「失敗してもいい、責任は私が取るから」と言い切る大人がいる場所で、子供たちは初めて、失敗を恐れずに自分の内側にある好奇心を爆発させることができるのです。これは、ダンスの即興(インプロビゼーション)で「自由に踊っていい、失敗の責任は僕が持つ」と背中を押すプロの姿勢にも通じる、ウェルビーイングの本質的な支えです。

6. 自己肯定感よりも「自己効力感」:繊細な成長のステップ

昨今、教育現場で多用される「自己肯定感(ありのままでいい)」という言葉。しかし、本作はそこからさらに踏み込み、「自己効力感」の重要性を説きます。これは、NPO法人「あなたのいばしょ」の大空氏も指摘するように、より具体的で繊細な「できた」の積み重ねです。

  • 「昨日よりジャンプが高くなった」
  • 「ターンが1回回れるようになった」

こうした小さな成功体験を積み重ね、「自分には状況を変える力がある」と実感すること。これこそが、学びの真の原動力です。そして、その一歩一歩を祝福すること。これこそが「3つのC」の最後の一つ、**Celebrative(祝福)**です。子供の存在そのものを、そしてその小さな前進を「祝う会」として共有する。その温かな眼差しが、子供たちの「もっと知りたい、もっとかっこよくなりたい」という欲求を、健全な成長へと昇華させます。

7. 結論:10年後の教育を変えるのは、私たちの「声」

「市民の考えが変わらなければ、学校も変わっていかない」

映画の終盤に投げかけられるこの言葉は、鑑賞後の私たちに重い、しかし希望に満ちた宿題を残します。教育を変えるのは、特別な誰かではありません。私たち一人ひとりの市民であり、保護者であり、そして地域の校長先生たちです。

「横須賀の、そして全国の校長先生。どうかこの映画を観てください」。

三浦氏のこの切実な叫びは、現場の当事者たちへの信頼の証でもあります。10年後の社会を、テストの点数に怯える大人でいっぱいにするのか。それとも、自ら問いを立て、世界を「セレブレイティブ」に祝福できる大人でいっぱいにするのか。

その答えは、いま、目の前の子供の「危なっかしい手つき」を、私たちがどんな覚悟で、どんな笑顔で見守るかにかかっています。


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投稿者プロフィール

三浦桃実
三浦桃実
看護師、ダンスファシリテーター、ヨガファシリテーター、シネマトグラファー。しんせつスタジオ代表。神奈川総合高校にて創作ダンスに出会い、神奈川県立保健福祉大学にて親切ダンスカンパニーを設立。様々な領域や枠を越えたメンバーで、地域に繰り出し踊ってきた。ダンスを言語として捉え、自分の思いを自然な動きで伝えるダンスのスタイルを編んでいる最中。ヨガ指導資格をリブウェルインスティテュートにて取得し、Bowspringや親子ヨガ、スタイルアップヨガなど、毎回哲学的なテーマを織り込んだオリジナルのクラスを提供する。ダンスもヨガも、ユーザー(参加者)と作り上げるスタイルが定評。またシネマトグラファーとして、依頼主の作りたい世界観を築き創るコンセプトで動画制作を行っている。
ユーザーさんたちが、自分が昨日よりちょっとかっこよくなっていることに気づいてもらえるように、スキルを活かして日々邁進中。モットーは「地球規模で考え、地元で行動」「しんせつなひと」
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看護師、保健師、RYT(全米ヨガアライアンス)500、メディテーション(瞑想)講師、JCDN主催コミュニティダンスファシリテーター養成講座修了生

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