目を見て!【断片的なものの社会学に学ぶ②】

このブログは、神奈川県横須賀市を拠点とした、ダンス・ヨガの教室と、映像製作を行う、表現ファシリテーター三浦桃実(みうらとしる)のプロジェクト「しんせつスタジオ」の自己表現についての考察や哲学っぽいことを徒然なるままに書いています。ダンス・ヨガ・映像制作、始めたい人、やってみたい人、自己表現って何?と思う人はぜひ読んでみてください。

ゆーっくりですが更新中のしんせつスタジオ「断片的なものの社会学」シリーズ。
今回は、こちら

私たちは、お互いの目を見ずにすますために、私たちの間に小さな鍋を置いて、そこを見るのである。(中略)私たちはお互いの目を見てしまうと、もう喋ることができなくなって、沈黙するしかない。そして、怯えや緊張は沈黙から生まれるのだ。

岸政彦 断片的なものの社会学p50
人の目を見ろと言われても

「人の目を見て話しなさい。」と幼い頃から言われてきた。なのに、それになかなか慣れないのは人間が元々目を合わすという行為がそれだけでメッセージの強い行為だから、なのではないでしょうか。

現在解散してしまった「珍しいキノコ舞踊団」私のダンスの原点でもあります、彼らのダンスの魅力にハマりまくり、ワークショップにもよく行きました。そして憧れの篠崎芽美さんと踊るチャンスがありました。対面でポーズをお互い真似しあう、というもの。終わった後に篠崎さんから「目が全然合わなかったの、相手の目を見てやるともっといいよ。」と言われたのを覚えています。いや緊張しすぎて目なんて見てられないよ、と思うけど(笑)でも、今でもワークショップの時などに知らない人と目を合わせるようなシーンでは緊張します。できれば自分勝手に踊っていたい。つまり、真っ向から真っ直ぐ目が合うのは誰が相手であっても、そんなにいい気持ちのものでもない、というのが自論です。

怯えや緊張は沈黙から生まれるのではない?

これだけ聞くと、すごくネガティブというか、人間嫌いのように思われてしまうかもだけどそんなことは決してなくて。人と普通に話す時は目を見て話しているし。でもそれも微妙に逸らしているのかもなあ。「怯えや緊張は沈黙から生まれるのだ。」とあるけど実際は、沈黙だって悪いことではなく、むしろ現代人が忘れている大切な瞬間であって、この文章をもう少し深読みすると、「怯えや緊張の時は殆どがしっかり対面しなくてはいけない時でそういう時は沈黙になるから、だから沈黙って怯えや緊張のイメージがついちゃっている」ということではないでしょうか?

人の目を見る、見つめるということは相手を見ているようであって、実は自分がどう見られているか瞬間的に反射され内面に向き合わざるを得なくなる、本当にちゃんと目が合う時、一瞬だろうと人は沈黙になる、だから怖いです。相手を見ようとしているときは実はそんなに目を見ていないことが多いかもしれない、それでも目をちゃんと合わせてくる人はすごいと思う・・・。

目を合わせるって、他者と心の底まで繋がってしまうもしかしてとんでもないコンタクトアプローチなのかも!?「目と目で通じ合う〜♪」なんて曲があるけど。ヨガ的にいうと肉体と魂、魂の容れ物が肉体、外界との越えられない境目と言います。手を繋ぐでも、ハグでも、チューは近いけどもはや相手が見られない距離でしかできないから、やっぱり目を見ることってキョーレツな何かを生むのかもしれないその相手の自分の間に。

自己表現における目の合わせ方

自己表現の話におくと。自分の表現力を高めたいと思えば思うほど自分の内面に気づき、壊して築くを繰り返していかなくてはなりません。とても根気がいること。アート思考的にいえば、自分がよいと思う方向に突き進めればそれでいいのだけれど、やっぱり人に見てもらってナンボと私は考えてます。だから表現というツールは社会と自分がつながるツールであると思うのです。パフォーマンス中に人の目を見る、ダンスに限ったことではありません。ヨガの指導中も、動画制作だってそう。とりあえず相手が見てないのをいいことに、見まくる!真っ直ぐに自分を相手に届ける。簡単なことではないかもしれないけど、目が合った人はそれだけでどきっ、グッとくるかもしれないです。しんせつスタジオで、というかみうらとしる個人として今後も実践していきたいと感じています。

もっとも、岸さんは目を合わせた方がいい、とかそんなことが言いたいわけではないんでしょうけどね、、、転がった日常の断片をただ拾って書いた、天才ですものね、、、。

しんせつスタジオはあなたを待っています

しんせつスタジオはあなたの表現したい!気持ちを応援します。しんせつスタジオで、表現という武器に磨きをかけませんか。この記事を読んで「しんせつスタジオ気になる!」と思ったら気軽にお問い合わせください。SNSも覗いてみてね。

𓀞𓀟𓀠𓀡しんせつスタジオ𓀢𓀣𓀤𓀥
みうらとしる三浦桃実(TOSHIL/도실)

投稿者プロフィール

三浦桃実
三浦桃実
看護師、ダンスファシリテーター、ヨガファシリテーター、シネマトグラファー。しんせつスタジオ代表。神奈川総合高校にて創作ダンスに出会い、神奈川県立保健福祉大学にて親切ダンスカンパニーを設立。様々な領域や枠を越えたメンバーで、地域に繰り出し踊ってきた。ダンスを言語として捉え、自分の思いを自然な動きで伝えるダンスのスタイルを編んでいる最中。ヨガ指導資格をリブウェルインスティテュートにて取得し、Bowspringや親子ヨガ、スタイルアップヨガなど、毎回哲学的なテーマを織り込んだオリジナルのクラスを提供する。ダンスもヨガも、ユーザー(参加者)と作り上げるスタイルが定評。またシネマトグラファーとして、依頼主の作りたい世界観を築き創るコンセプトで動画制作を行っている。
ユーザーさんたちが、自分が昨日よりちょっとかっこよくなっていることに気づいてもらえるように、スキルを活かして日々邁進中。モットーは「地球規模で考え、地元で行動」「しんせつなひと」
---------------------------
看護師、保健師、RYT(全米ヨガアライアンス)500、メディテーション(瞑想)講師、JCDN主催コミュニティダンスファシリテーター養成講座修了生