身体を思い通りに動かす!コーディネーション能力とは?

このブログは、神奈川県横須賀市を拠点にダンス・ヨガの教室と映像制作を行っている表現ファシリテーター三浦桃実(みうらとしる)のプロジェクト「しんせつスタジオ」の自己表現についての考察や哲学っぽいことを徒然なるままに書いています。ダンス・ヨガ・映像制作、始めたい人、作ってみたい人、自己表現って何?と思う人はぜひ読んでみてください。

今日の話は思い通りに身体を動かすために、について

「私運動神経がないからー。」ってよく聞きますよね。運動神経がないと多分、その発言する口の動きもできません、神経がないということはありません(笑)せめていうなら運動音痴でしょうか。まあ、これ私の発言なのですが(苦笑)

運動音痴=身体を思い通りに動かせない(ここでは物理的な身体という意味で“身体”と表記します)ということだと私は考えます。私は球技全般が嫌いです、はい、嫌いです!取るべきボールは取れないし、当たってはいけないボールに当たります、もう何が楽しいのかさっぱりわかりません!瞬発的な動きはどうにも苦手なようです。バレエのバーレッスンでも日常生活でも、何かと反応が遅く人より遅れてしまう。群舞は致命的なはずですが・・・この話は後でも出てきます!

ところで私はキッズの体操とプールのコーチをしていましたが、身体を思い通りに操る能力を専門的には「コーディネーション能力」というそうです。コーディネーション能力について次に説明します。

7つのコーディネーション能力と発育曲線

①連結ー体全体をスムーズに動かす
②識別ー道具を上手に扱う
③定位ー距離や時間を把握する
④変換ー状況に合わせて瞬時に動きを切り替える
⑤反応ー合図に合わせてすばやく行動する
⑥リズムー動くタイミングを上手につかむ
⑦バランスーバランスを正しく保つ

そしてこのコーディネーション能力と合わせて紹介されることが多い気がするのがスキャモンの発育曲線です。

(出典:国立スポーツ科学センター,女性アスリート指導者のためのハンドブック「発育・発達について」,6)

神経系=頭囲の発育や脳の重量増加に一致するカーブのこと。大体10歳くらいでピー・・・と横ばいになっています。冒頭で説明した所謂「運動神経ないんだよね」な子はこの10歳までに運動神経を養えなかった結果なのです(私)7つのコーディネーション能力をベースにしてもいいし、10歳までにいろーんな身体の動きを発見しておくことが大事なのですね(ちなみに一般型=身長の発育や臓器の重量であり、新生児期に一番発育し、次に思春期に発育 のこと)。

コーディネーション能力についてはもっと詳しい文献はいくらでもあるから、ここでは何が言いたいかというと、しんせつスタジオ=私のコーチングにおけるコーディネーション能力の応用です。これらは・・・全てダンス・ヨガで身につけられます。

7つ揃ってなくてもいいじゃない

ダンスについては、一人で踊るにしても人と踊るにしても空間をうまく把握し、移動し、振り付けを覚え、時に状況に応じて即興したり他に人の動きに反応したり、リズムを掴むことはもちろん、すべてのアクションをつなぎ作品を踊りきる。振り付けられた通り決められた通りに動くことがダンスだと思われがちですが、実は舞台の上ではいろんなことが同時多発的に起こっていて、そのとんでもない量の刺激に囲まれ受容し反応し動いているのです。ヨガはというと、もちろん目指すべきポーズに向かって自分を身体を動かしていくのはダンスと同じ。でもリズムとは?もちろん呼吸です。ダンスは音楽というリズムを掴んで動く場面が多いけれど、ヨガは自分の呼吸がリズムです。一般的な講師のガイドだとどうしても一律で「もっと長いのに」「自分の呼吸とガイドがあわなくてしんどい」という経験がヨガを受けたことがある方はあるかもしれません。しんせつなヨガは最初にガイドはもちろん行いますが、自分の呼吸で反復して動く、というやり方をとっています。その方が自分の内面に気づきやすいからです。ダンスにおいてもいくら音楽のリズムに乗っているように見えても自分の呼吸=内側のリズムに気づいているかいないかで、踊るダンサーか踊らされているダンサーかどうかが決まります。

7つのコーディネーション能力とは、一般的に6〜10歳くらいの間に色々経験させておけば後で困らないよーという意味合いで使われるでしょう。どの能力も前提として自分対環境、というか、外部刺激に対峙することを述べているような印象です。私はしんせつスタジオにおいて、この7つの観点を自分の内面と対峙する場合ー自分の身体に何が起きているのか考える場合に置き換えるとどうなるか?の方が意味深いことだと思います。

①連結ー身体全体をどう動かしたら思う通りにつながるのか
②識別ー自分の身体をパーツごとにうまく認識し扱う
③定位ー自分の身体のパーツごとの距離感、時計を見なくてもわかる時間感覚
④変換ー体の調子に気づいて動きを切り替えたり応用させる
⑥リズムー自分の呼吸を掴む、気づく
⑦バランスーバランスを正しく保つ、バランスの不安定なところに気づく
⑤反応ーこれだけは外部刺激的な話かなと
子どものうちから、自分の内面に気づくってとても難しい(自分は多分やっていない、それよりもとにかく外で遊んでいたい)し、できるのかできないかも大人になってしまうとわからないのだけど、だからこそ身体を使ってわかりやすいところから取り組んでみるといいのではないでしょうか。しんせつスタジオでは、子どもにも大人にも、この動きが後でどうつながるか何を狙っているのか説明し、感覚と頭での認識と、両方で理解してもらうようコーチングを進めています。

また、この能力が一つでも欠けていると運動できないのかというとそういうことではないと思います。そして全部バランスよく持て、とも思いません。実際私はめちゃ反応は弱いと思いますが、連結や変換は得意です(多分)。そしてこれはかなりの持論ですが、欠けている力こそ、その人の他と差がつく魅力ポイントになるのではないかな、なんて思ったりします。私の場合、突発的なことへの反応が弱いから事前に綿密にわかっていないとできないタイプなので、球技よりも決めたことをこなすダンスが好き、とか。後なぜか音楽に合わせて動きだと自然に動く小tができて、運動大嫌いだった少女Tは高校生にしてダンスを始めたのでした。10歳までに決まっちゃう!というのはお子さんに運動を勧める決まり文句のようなものなので、やりたければ何歳からでもやったらいいと思うし、発達するのがたった7つの能力である訳が無いのだから、運動をしない手はないでしょう。子どものうちからできる人生教訓です。とはいえ、このような観点があった方が、コーチする側もされる側も狙いがわかりやすいですし、最終的にはすべてつながっているので、総合的に身につけられるダンスとヨガを幼少期からやってみることは強くおすすめします。

あとよく聞くのが臨界期。幼児期に与えられた刺激において、その効果が最もよく現れる時期のこと、つまりこの時期にやっておいたことは後々でもコツがつかみやすく上達しやすくなるということ。ちなみに球技や器械体操の臨界期は6歳未満らしいけど(私オワタ!)、運動に臨界期はない、つまりダンスに臨界期はないということですよ!

また最近見た面白い文献は、論文『高等学校におけるダンス授業の効果の検討』Effects of dance in physical education class on high school students(2012年)山本浩二 中井聖 少し古いですが、2012年はちょうど中学校保健体育の一環として、男女ともにダンスが必修化された年。スポーツ経験の有無や程度に関係なくダンスにおける身体的スキルの向上が認められることや、心理社会的側面からもダンスが有効であることが示唆されています。読んでみてほしい、おすすめ!(検索するとダウンロードできます)

自分の身体を開発していこう!

身体を思い通りに動かせるって素晴らしいことです。身体に常々感謝しなくてもなりません。何か心がモヤモヤしているときは、身体もどこか不調なことが多いです。環境要因で自分がどうしてもどうにもならないことは生きていれば多々あるけど、自分の身体をコントロールしよう=運動するのが最もが早く取り組みやすく、うまくいきやすいです。右手を挙げて、といえばとりあえず右手を挙げる。ね!元気になって!?と言われるより簡単でしょう。人によっては難しいかもしれないけれど完璧でなくてもいいはずです。大人でも子どもでも、身体のコントロールは心のコントロールと直結しているから、自分の身体を思い通りに動かせるということは、自分がどう思っているか、それをどう見える形として外へ伝えるか、ができる人になれるということではないでしょうか?極論相手の反応なんてにしかわからないんだからどーでもいいんですが。自分が生きやすく生きるために必要な術は運動から学べるといえます。

ところで、最近みうらとしるは声楽を習い始めましたが、師匠曰く「声を出すことは体全体を楽器にするということだから身体の眠っている部分をそのままにせずどんどん開発するように。」と言われました。そうです、7つの能力なんてものでは済まない、私たちの身体は宇宙みたいなものだから、年齢なんて関係なくどんどん身体を動かして開発していく過程が発見だらけで楽しいのです!

しんせつスタジオはあなたを待っています

今日はコーディネーション能力について書きました。しんせつスタジオのものの見方は随分クリティカルと思われたかも苦笑・・・しんせつスタジオではクリエイティブ&クリティカルに、居心地のよさと違和感、二面性を同時に大切しています。

しんせつスタジオはあなたの「表現したい!」気持ちを応援します。しんせつスタジオで、あなたの“表現”という武器に磨きをかけませんか。この記事を読んで「しんせつスタジオ気になる!」と思ったら気軽に見学お待ちしています。SNSも覗いてみてね。
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みうらとしる三浦桃実(TOSHIL/도실)

投稿者プロフィール

三浦桃実
三浦桃実
看護師、ダンスファシリテーター、ヨガファシリテーター、シネマトグラファー。しんせつスタジオ代表。神奈川総合高校にて創作ダンスに出会い、神奈川県立保健福祉大学にて親切ダンスカンパニーを設立。様々な領域や枠を越えたメンバーで、地域に繰り出し踊ってきた。ダンスを言語として捉え、自分の思いを自然な動きで伝えるダンスのスタイルを編んでいる最中。ヨガ指導資格をリブウェルインスティテュートにて取得し、Bowspringや親子ヨガ、スタイルアップヨガなど、毎回哲学的なテーマを織り込んだオリジナルのクラスを提供する。ダンスもヨガも、ユーザー(参加者)と作り上げるスタイルが定評。またシネマトグラファーとして、依頼主の作りたい世界観を築き創るコンセプトで動画制作を行っている。
ユーザーさんたちが、自分が昨日よりちょっとかっこよくなっていることに気づいてもらえるように、スキルを活かして日々邁進中。モットーは「地球規模で考え、地元で行動」「しんせつなひと」
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看護師、保健師、RYT(全米ヨガアライアンス)500、メディテーション(瞑想)講師、JCDN主催コミュニティダンスファシリテーター養成講座修了生